シーズン 8 使用構築の軸とおまけ
シーズン 8 お疲れさまでした。
↓ の構築で久しぶりに対戦していました。
右手首が腱鞘炎になってしまい他のゲームができなくなった、というかなり後ろ向きな理由でポケモンを開きましたが、蓋を開けてみればとても楽しむことができ、7/22 にポケモンを起動してからの 1 週間強で 200 戦以上潜ってしまいました。
目立った結果は残せていませんが、せっかくそれだけ潜ったので軸だけでも記録に残しておこうということで久々に記事を書きます。
本構築はカイリュー+サーフゴー+ウーラオスの 3 体を軸として採用しています。
以下でそれに至る考察内容を説明します。
個体紹介
テラスタイプ:フェアリー
性格:図太い
特性:マルチスケイル
配分:212-0-196-0-0-100
持ち物:食べ残し
技構成:エアスラッシュ/電磁波/アンコール/羽休め
配分の意図:
・H16n+1
・B11n
・最速ガチグマ抜き
・サーフゴー
テラスタイプ:鋼
性格:控え目
特性:黄金の体
配分:4-0-0-252-0-252
持ち物:拘り眼鏡
技構成:シャドーボール/ゴールドラッシュ/トリック/自己再生
・ウーラオス (連撃)
テラスタイプ:水
性格:意地っ張り
特性:不可視の拳
配分:0-252-0-0-4-252
持ち物:拘りスカーフ
技構成:水流連打/インファイト/アイススピナー/蜻蛉帰り
軸の概要
・ウーラオスに対して展開したい
現環境で対戦を重ねる中で、相手にして最も対処するのが難しいポケモンはウーラオスであると感じました。ハバタクカミやカイリューを始めとする他のトップメタももちろん強力ではありますが、テラスタルによる耐性変化や各種搦め手、並びでのタイプ相性補完などを利用した所謂 "誤魔化し" の処理ルート確保のしづらさではやはりウーラオスが群を抜いているように感じたため、 そのウーラオスに対して比較的安定した展開を作ることをまず最初に模索しました。
そんなことを考えながら対戦をしている中、対戦相手が使用してきた上記の技構成のカイリューがかなりウーラオスに対して場を整えやすく、眼鏡サーフゴーと組み合わせることで有利な展開に持ち込みやすいのではないかと考えてこの 2 体から構築を組み始めました。
対ウーラオスでは、下記のような展開を理想としています。
2. 相手の交代際に電磁波を入れる
3. カイリューとサーフゴーの相性補完を活かし、サーフゴーに引く
4. 麻痺と眼鏡サーフゴーの高火力を利用して相手を上から縛る
ここで、相手のウーラオスから始めて裏も見据えた展開ができているところがポイントで、この並びを用いることで単にウーラオス単体を倒せるだけでなく、その後の展開の安定化を図ることができるのではないかと考えました。
・1 つのまとまった選出を作る
カイリュー + サーフゴーの採用が決まったところで、この 2 体と合わせて強い選出を組めるポケモンを採用して基本選出を作ろうと考えました。そしてその 1 枠には、下記の条件をなるべく満たせるポケモンを探しました。
1. 先発適性がある
カイリューはクッションとしての性質が強く、サーフゴーは場を整えてから出すことで性能を最大限発揮できると考えたので、先発に置きやすいポケモンがよいと考えました。
2. パオジアンに弱くなく、先制できる
パオジアンはカイリューとサーフゴーの両方に一致弱点を付ける上、下から誤魔化そうとすると最低でも 3 割で解決されてしまいがちであるため、対面有利かつ上から動けるポケモンがよいと考えました。
3. 地面タイプや鋼タイプに強め
相手の地面タイプにはカイリューが電磁波を打てずサーフゴーは一致弱点を突かれてしまいます。また、鋼タイプにはカイリューが有効打を持てず、特に採用率の高いヒードランについてはサーフゴーも明確に不利となるため、この辺りに強いポケモンがよいと考えました。
連撃ウーラオス@スカーフがこのあたりの条件をきれいに満たすことができたため、3 枠目として採用しました。実際にこの 3 体で選出するときは、ほとんどの試合 (多分全試合) でウーラオスを初手に置き、蜻蛉帰りなどから展開をスタートさせていました。
この軸の強い動きと欠点
この軸で対戦している中で、明確に強かった動き及びきつかった相手がいくつかあったので列挙してみます。
特にきつかった相手の方は、残りの 3 体でそれをきれいに補完できればより強い構築になりそうです。
強かった動き
・サーフゴーからカイリューバック
→ 相性補完に優れるので半減以下で技を受けやすい
→ アンコール
→ 交代際に電磁波
→ サーフゴーバック
・初手ウーラオス vs 相手ディンルー
→ 水流連打やインファイトの圧力でテラスタルを切らせて蜻蛉帰り
→ フェアリーテラスタルを確認できた場合はサーフゴーを出してゴールドラッシュ
→ 初手鉢巻飛行テラバーストに期待しながら蜻蛉帰り
→ 飛行テラスタルを確認できた場合はサーフゴーを出してゴールドラッシュ
・カイリューでラス 1 相手にアンコール
→ サーフゴーに引いてトリックで詰める
きつかった相手
上にあるほどより厳しかった印象です。
・電気タイプ全般 … カイリューがほぼ何もできず、他 2 体も有利とは言えない
・テツノツツミ … 特にブーストされるとウーラオスも上を取れず全員倒される
・キョジオーン … テラスタルされるとサーフゴーでトリック当てる以外処理が厳しい
・眼鏡サーフゴーで崩せないサイクル … 崩しよう、なし。
・サーフゴー … カイリューがほぼ何もできず、他 2 体も後出しは難しい。
こちらのサーフゴーはミラーでは対面有利になる場合が多かった。
・ハバタクカミ … テラスタルを切らないと全員厳しい。
が、意外と何とかなる場合が多く、当初想定していたよりも苦戦しなかった。
軸の解説は以上です。以降はおまけ。
おまけ:惜しくも採用に至らなかったポケモン
強みはあると感じていたのですが、構築的に惜しくも採用に至らなかったポケモンを 2 体ほど紹介しておきます。
テラスタイプ:フェアリー (諸説あり)
性格:穏やか
特性:もらい火
配分:212-0-0-0-188-108
持ち物:食べ残し
技構成:マグマストーム/岩石封じ/挑発/守る
配分の意図:
・H16n+1
・D11n
・なるべく S 高め (サーフゴーやカイリューを抜けたら嬉しい)
ヒードランの重要な役割の 1 つにハバタクカミのムーンフォースの一貫を切ることが挙げられますが、結局瞑想とかされると起点にされかねませんし、ヘビーボンバーを採用しても水テラスを切られるとしんどいです。そこで、岩石封じを採用して S 操作をすることで、瞑想ハバタクカミはこのポケモンではなく裏のポケモンで最終的に対処することを考えました。
瞑想ハバタクカミはブーストエナジーを持って詰め筋として出てくることが多く、相手にとって岩石封じを見てから柔軟に対応するのは難しい終盤での対面が多いと考えられるため、こちらが裏に高速高火力物理アタッカーを HP1 でも残しておければ切り返しを効かせることができました。
なお、一応カイリューなどにも打つ機会があるかなと思って岩石封じを採用しましたが、命中安定かつ一応ミラーでも打てる地均しも採用価値があると思います。
・オオニューラ
テラスタイプ:ゴースト?なんでもあり
性格:意地っ張り
特性:毒手
配分:212-76-148-0-4-76
持ち物:拘りスカーフ
技構成:フェイタルクロー/インファイト/蜻蛉帰り/すり替え
配分の意図:
・A11n
・フェイタルクローで無振りパオジアンが確定 2 発
・(フェイタルクロー + 毒) × 2 で無振りウーラオスが確定
・A172 パオジアンのつらら落とし + 不意打ちを大体耐える
・準速ウーラオス抜き
パオジアンやウーラオスといった初手置きしやすいポケモンに動けつつ、ディンルーなどの耐久系には拘りすり替えができるオオニューラ。このポケモンはとにかくフェイタルクローを 1 発でも多く打つのが強いと思ったので、かなり耐久に多く割いてなるべく多くの対面で打てるようにしています。
蜻蛉帰りで 3 割で毒手が発動するのも強く、適当な有利対面やすり替えで補助技を縛った後に蜻蛉帰りを打つと受けだしてきたカイリューに毒が入ったりして面白かったです。
それでは今回はここまでになります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
現時点の各ポケモンの雑感とか 2022/12/21
SV 環境のランクマッチが始まって 3 週間ほど経ち、Twitter では多くのキャラランクを目にするようになりました。
私も流れに乗ってキャラランクを作ろうかと思ったのですが、画一的なランク付けで自分で納得できるものを作るのが難しかったので雑感を記事にすることにしました。
以下は、 SV 環境シングルランクマ前提です。
順番は書きたいことが思いついた順です。個人的評価が高い順などでは全くありません。
・ラウドボーン
高い HB 数値と特性天然によって物理龍などを (時には対面的に) 受けるのがメインではありますが、決して速くないように見えて実は現環境ではそこそこの相手に上から動くことができるのでマリルリやドドゲザンといった必ずしもタイプ上有利とは言い難い相手に鬼火を入れることができたり、数少ない優秀な特殊アタッカーであるウルガモスにタイプ上強かったり、アーマーガアなどとの受けミラーでは強い場合もあったりと強い要素が多く、かなり倒しにくいポケモンだと感じます。もちろん専用技も非常に強力です。
テラスタイプとの相性も良く、特に最も採用されているであろうフェアリータイプを採用するとサザンドラを奇襲できるだけでなく、鉢巻を含めたドラゴンの逆鱗に後出しして最悪テラスタルを切る、などの強引な立ち回りも成立させることができるなど、立ち回りの幅をさらに広げることができるように思います。また、サザンドラとの不利対面でも相手はフェアリーテラスタルを考慮せざるを得ず、こちらが安全に交代できればむしろ一方的にテラスタルを切らせて有利な展開を作れるなどの点も評価しています。
あくまで現時点ではありますが、個人的にはこのポケモンに現環境最高の評価をあげたいと思っています。
・キョジオーン
高い耐久数値・受けにとって異常に強力な特性・火力がなくても相手に負担をかけることができる専用技と、ここまでとても噛み合っているポケモンではありますが、唯一岩タイプというタイプだけが噛み合っていないように感じます。このポケモンの一番強い使い方は確実に有利対面を取り、相手の交代際に塩漬けを当てて圧力をかけ、サイクルを崩せたら自身で詰めに移行する、というものだと思っているのですが、最初の「確実に有利対面を取る」というのが岩タイプだと容易ではなく、微有利だが相手からも有効打がある、という状況が多発してしまう印象です。かといって汎用受けのような形で広く浅く見ようとすると、不意の身代わりや隠密マントの起点になってしまって一気に負けまで見えてしまうので、強く使うのは存外難しいポケモンだと感じています。
とはいえ、冒頭にも述べたように数値・特性・専用技が異常に優れているこのポケモンが弱いわけはなく、テラスタイプでタイプを変えることができるのも相まってうまく使うことができれば強力なのは間違いないと思います。
・サーフゴー
このポケモンも異常に強力な特性を持ちますが、耐久の数値が高いとは言えず、タイプも優秀ではあるものの弱点技を持たれている相手も多めなので、かつてのギルガルドのような強引なサイクル参加をさせようとすると力が発揮できないという印象を受けました。ただ、かといって素早さが特段速いわけではなく先制技も持たないので、このポケモンも適当に使えば強い感じではなく、案外活躍させる難易度は高い印象を受けています。
ただ、有利対面を取れた時の圧力は非常に高く、特性を利用することで耐久に頼らずに受け出しを成立させることができる場面も存在するので、そのあたりをうまく活かすことができればこのポケモンの最大値の活躍ができるかもしれないと思いました。
・マスカーニャ
個人的にこのポケモンで最も使用感がいいと感じたのはスカーフ蜻蛉による盤面操作をする型ですが、初手でミラーした場合に蜻蛉帰りを押さざるを得ない場合陽気最速を採用しない限り構築の欠陥だと考えていて、逆に陽気だと火力や耐久面に不安が残るため、ミラーの解決が難しいポケモンだと感じました。こちらは交代したとしても相手には蜻蛉帰りを押される可能性を考慮しないといけないため、炎の体+ゴツゴツメットなどで無理やりリスクを付けるか、そもそも相手にマスカーニャがいる場合は初手には選出しない別選出を用意する必要があると感じます。
逆にミラー以外での初手性能は個人的にはかなり好みの性能なので、そのあたりを解決した並びが出てくるのを楽しみにしています。
適切なタイミングでテラスタルを切ることで多くのポケモンに対面勝てるポケモンですが、逆にテラスタルによって返り討ちに合うリスクに常に付きまとわれており、採用する限りとにかく択をし続けなければいけないポケモンだと感じます。環境全体のテラスタイプを見たときに、フェアリーがおそらくかなり上位の使用率を誇っているのがその択を助長しています。
ですが、それは裏を返せば常に相手に択を押し付けているわけであり、相手にすると非常に厄介なポケモンに感じるのも事実です。個人的には身代わりなどを採用し、一度相手の動きを見てから技を選択できるような型で強い型が見つかればかなり可能性があると感じますが、拘り系のアイテムが主流になっている現状だと、相手にすると厄介なものの自分で採用するかといわれると少し躊躇する、というのがあくまで現段階の個人的な評価です。
・ヘイラッシャ
非常に高い耐久・優秀な特性・弱点を突かれにくいタイプが強力ではありますが、再生回復技を持たないことと、特性で欠伸を防ぐ手段が増えてしまったことが逆風に感じます。欠伸をうまくいなしながら殴り続けることで割とごり押し突破ができてしまうのが弱みだと感じますが、個人的には鈍い型などの開拓に期待しています。
ところで、このポケモンの大きな強みの一つに、環境トップにいるカイリューに型次第で対面有利、後出しもぎりぎりできるかもなところがあると思っているのですが、水技/地割れ/眠る/寝言の構成が一定数残っているのはなぜなのでしょう…?(←このポケモンで一番言いたかったこと。)
書き疲れたので今回はこの辺りで終わろうと思います。
気が向いたら第二弾も書くかもしれませんが、ネタ切れしそうなのでもう少しいろんなポケモンを使ってみたいところです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【簡易記事】S35使用構築 - 慎重ザシアン + ゴツメランド
シーズン 35 ならびに剣盾ランクマお疲れさまでした。
特に結果は出てないんですが、個人的に好みの構築が組めたので忘れないように簡易的に記事を書いておきます。
慎重ザシアン + ゴツメランドの展開
本環境は個々のポケモンのパワーがあまりにも高く、あまり考えずに強いポケモン (使用率の高いポケモン) で固めた構築を作ると、初手で出し勝ったら勝ち、出し負けたら負けみたいなじゃんけん構築になることが危惧されました。それを避け、相手の初手を見てからそれに対応してテンポを取っていくことを目指したのがこの展開です。
HD に大きく割いたザシアンが初手で出し負ける相手のザシアン・マーシャドー・グラードンに対してこちらのゴツメランド後投げがしやすく、そこから蜻蛉帰りによる対面操作などで数的不利を取らないまま一度でもはっきりした有利対面を作れれば、そのまま有利な展開に持ち込めるのではないかと考えました。
対面性能を備えた崩し枠
初手投げしやすいポケモン + 耐久ランドの並びは古来からあり、そのラスト 1 枠は相手のサイクルを崩すことに重きを置いた場合が多いですが、現環境はサイクルに寄った構築は必ずしも多くないため、崩しというよりはザシアンと異なる範囲に有利対面を取りやすいポケモン、という観点で考察しました (とはいえ本記事では便宜的に "崩し枠" と呼ぶことにします)。
ザシアン + ランドと一緒に選出する場合はほぼ必ずこの枠のポケモンにダイマックスを割くことになるため、技構成などはそれを意識して決定しました。
vs ルギア入り
軸であるザシアン + ランドは相手のルギアに弱いですが、ゼクロムを入れて解決、とするのはあまり使用感がよくなかったので、ルギアに刺さりやすいステロを絡めた別展開を考えることにしました。
様々なステロ撒きポケモンの中で、ルギアを誘いつつ電磁波による運ゲを許さず、不意の身代わりなどにもある程度の耐性があるという点で前回の記事でも紹介した脱出パックグラードンが適任と考えたので、今回も採用しました。
例えば初手でディアルガと対面して地震にルギアを後投げされた場合、ステロ→オバヒ脱出→最速イベルタルで身代わり、と動くことで、環境に少ないと考えていた最速イベルタルよりも速いルギアによる電磁波を除いて、麻痺運ゲを完全に拒否しつつ有利展開を作ることができます。ルギアにダイジェットは打ちにくいことから身代わりのタイミングで悪技読みザシアン引きをされることも想定されますが、そのときグラードンの晴れが残っているのがおしゃれポイントで、身代わりを盾にザシアンに晴れ熱風を当てることでステロも合わせて H 振り程度までのザシアンは落とすことができます。
vs 電磁波
現環境は電磁波があまりにも多いため、完全な対策は難しいとしてもある程度構築段階で対応を準備しておく必要があると考えました。
今回はまず、表選出と裏選出それぞれで中核を担う役回りとして電磁波を通さないランドとグラードンを採用しました。電磁波を積極的に打つポケモンは耐久にかなり大きく割いている場合も多く、そのような相手に対しては明確な役割関係がなくても一度様子見でランドやグラードンを後出し、電磁波を一貫させない状態で裏の崩し枠に引く所謂 "三角交換" の動きが有効に働く場合もありました。
また、現環境で電磁波を採用するポケモンの多くは最速イベルタルよりも遅いと感じたため、最速イベルタルによる身代わりも電磁波対策の一環としました。イベルタルは非常に圧力の高いポケモンであることから 1 ターンのアドが大きく、電磁波を身代わりで透かせた場合はそのまま一気に有利展開にもって行ける可能性がありました。
ラスト 1 枠に求められること
ここまでの 5 体を踏まえ、ラスト 1 枠には以下の条件をなるべく満たしたポケモンを探すことにしました。
・ホウオウナットを崩せそう
・初手で火力 UP アイテムを持ったオーガを出さないでほしい (初手ダイマ構築にはなるべくオーガじゃない方を出してほしい) ので、見せ合いで躊躇させそう
・A 特化ザシアンもなるべく初手に投げないでほしいので、見せ合いで躊躇させそう
・少なくともザシアン + ランドとグラードン展開の片方とは強い選出が組める (これが一番大事)
私の考察した範囲ではこれを最も満たせそうなのがディアルガだったので、今回はディアルガを採用しました。マーシャドーなども採用候補かなと思いましたが、この枠は総じて考察不足なのでもう少しベストなポケモン・型がありそうです。
今回は簡易記事ということでこのくらいで筆を置こうと思います。
対戦をどれくらいやるかはわかりませんがひとまず SV も買おうと思うので、引き続き仲良くしてもらえたら嬉しいです。
【クロスファイア使用構築】脱出パックグラードン始動【ベスト8】
クロスファイアお疲れさまでした。
使っていた構築を紹介します。
個別紹介
性格:生意気
配分:252-0-0-0-236-20
持ち物:脱出パック
配分の意図:
・H213-D175 ルギアの身代わりを晴れオバヒで乱数 2 個切って破壊 (=大体の身代わりは壊せる)
・麻痺した最速ムゲンダイナ抜き
・なるべく多くの攻撃を耐えるため残り HD 振り切り (C222 レシラムの晴れダイバーン (青い炎媒体) を耐える程度)
性格:控えめ
配分:0-0-4-252-0-252
持ち物:命の珠
技構成:悪の波動/デスウイング/熱風/追い風
配分の意図:
・ミラーでなるべく上から動けるよう準速
性格:臆病
配分:0-0-4-252-0-252
持ち物:拘りスカーフ
技構成:潮吹き/雷/冷凍ビーム/電磁波
・ザシアン
性格:意地っ張り
配分:188-236-0-0-0-84
持ち物:朽ちた剣
技構成:巨獣斬/じゃれつく/インファイト/電光石火
配分の意図:
・HP 16n-1 / A 11n
・最速ルギア抜き
・C201 珠イベルタルのダイジェット (デスウイング媒体) + ダイアーク (悪の波動媒体) を急所率込みで 88% 程度で耐え
・ゼクロム
性格:陽気
配分:252-0-0-0-4-252
持ち物:弱点保険
技構成:雷撃/逆鱗/ダブルウイング/龍の舞
配分の意図:
・A244 ザシアンの +1 じゃれつくをダイマ状態で受けた後ダイマ終了後の同ザシアンの電光石火を確定耐え
・C202 カイオーガのダイアイス (冷凍ビーム媒体) + 霰ダメージを確定耐え
・バドレックス
性格:臆病
配分:0-0-0-252-4-252
持ち物:気合の襷
技構成:アストラルビット/サイコショック/破壊光線/悪巧み
構築の要点
・脱出パックグラードンによる多彩な展開
本構築は、脱出パックを持ったグラードンを初手に出すことで、相手の初手を見てからそれに合わせて臨機応変に様々な展開を作っていけるのではないかと考えたところからスタートしました。
具体的には、下記の 3 種類の展開が考えられます。
1. 電磁波+ステルスロックによる展開
2. オバヒ脱出からの展開
3. 初手ダイマックスによる展開
以下で 1 つずつ説明します。
1. 電磁波+ステルスロックによる展開→
環境に一定数存在している、グラードンによる麻痺撒き+ステルスロックからダイジェットなどを展開する動きです。ここで改めて説明するまでもないですが、S 操作 + 削り + ステロからダイマックスエースの展開を狙う、主にマーシャドーやルギアなどのステロが刺さる相手には特に有効な戦術になります。
今回採用しているグラードンの S ラインの関係で最速ザシアンや黒バドレックスには麻痺を入れても上を取られてしまいますが、基本的にこれらの相手には次で説明するオバヒ脱出展開を狙います。
2. オバヒ脱出からの展開→
1 の電磁波ステロ展開は既に流行している戦術であることもあり、初手にグラードンを投げた時点で警戒されて対応されてしまう可能性があります。特に相手の初手がザシアンや黒バドレックスの場合、初ターンで身代わりから入られて対応されてしまうケースがよくあります。
本構築ではそのような相手に対して、オバヒ脱出で身代わりを壊しつつ高速高火力アタッカーに繋ぎ、削りを入れて耐久調整を崩しつつ上からの攻撃で数的有利を取ることを狙っていきます。対身代わりの他、初手グラードンミラーや、ガブリアスなど襷を持って展開を狙ってくる相手にも有効な戦術です。
現環境で構築を組む上での最大の課題の 1 つとして、「いかに選出択を回避するか」という点が挙げられると思っています。初手で出し負けてしまうと伝説のパワーを前にサイクルするのは容易ではなく、かといって安易に一体切ってしまうと数的不利となってしまい、そこから捲るのも容易ではありません。そこで、グラードンの非常に高い数値でほとんどの攻撃を一度は耐え、オバヒ脱出による対面操作からしっかり有利対面をつくって展開できるこの動きは、なるべく択を減らして安定した展開をつくる上で 1 つの候補になってくると考えています。
3. 初手ダイマックスによる展開vs
主にディアルガの初手珠ダイアイスでグラードン展開の阻止を狙ってくる相手への対応策です。こちらも初手でダイアースから入ることで D を上げ、対面で打ち勝って数的優位を取れれば相手のプランを崩せると考えられます。
現環境でダイアースを透かせるポケモンのうち、その他の技を考慮しても比較的安心してグラードンに後投げできるのは霊獣ランドロスのみだと思っていますが、もし初手で霊獣ランドロスに交代された場合はこちらのダイマックス前に威嚇で脱出パックが発動するので、ダイアースを比較的安心して打つことができるのは脱出パックの優位点です。一方、ディアルガとのダイマックスでの殴り合いでダイドラグーンを打たれてしまうとダイマックス中であるにも拘らず帰宅してしまうのが残念な点ですが、こちらのザシアンへの一貫性なども考えると打つとしてもダイスチルが優先される場合が多いだろうということで妥協ラインかなと思っています。
上記 3 つの展開をいずれも初手グラードンから始動できるため、相手の初手を確認してから立ち回りを選択できるという点がこのグラードンの優れているところだと考えています。現環境はまだ始まったばかりということもあり使用される構築や戦術は非常に多岐にわたりますが、様々な立ち回りを確保することで選出択を一方的に緩和し、幅広い構築に安定した展開が作れるのではないかと考えました。
現環境では、そもそもダイマックスをできないザシアンとムゲンダイナやあまりダイマックスを積極的に切らない襷マーシャドー・起点作成型グラードンなどが採用される一方、ダイマックスすることが前提に近いイベルタルなどのダイジェット持ちも採用されています。もちろんこれらのポケモンも強力ではありますが、対戦中ダイマックスできるのは 1 体までであり、ダイマックスを使わないという選択肢は勝率を下げることが火を見るより明らかであることから、「ダイマックスできない」または「ダイマックスが前提」のポケモンで構築を固めてしまうと前者から 2 体、後者から 1 体の選出を余儀なくされ、選出の選択肢が狭まってしまうことが懸念されます。
現環境はまだ環境が定まっていないため所謂メタのようなものは貼りづらく、様々な相手に柔軟に対応していく必要があると考えています。そこで、なるべく選出の選択肢を減らさないため、ダイマックスしてもしなくても強いポケモンを積極的に採用することを考えました。これにより選出の選択肢が増加し、上述の 3 種類の展開のうちグラードンにダイマックスを切る 3 番目の展開を選択する可能性がある場合には相手の初手を見てからグラードンにダイマックスを切るのか後続に残すのかを選択して柔軟に対応していくことができます。また、グラードンを出さない対戦においてもスムーズにダイマックスを活かせる選出をすることができました。
個体詳細
言わずもがな、様々な展開の始動役となる本構築の軸です。
火力も耐久もなるべく下げたくなかったため、性格は S 下降での採用としました。これにより一部相手には麻痺を入れても先制を取れず、特に対黒バドレックスなどではそれが裏目になることもありましたが、一方で後攻を取って天候を雨にしてこようとするカイオーガに対してさらに遅い素早さで天候を書き換えるなど、S の遅さが活きる場面もあったように感じます。初手グラードンミラーでほぼ確実に後攻になるというのも大きく、初手オバヒ脱出→カイオーガ出しで、襷ステロや電気玉投げつける、剣舞、初手ダイマなど多くの展開に対して大きく不利を取ることなく対応していけるのはこの型固有の強みなのではないかと思っています。
一方、相手のダイマックス技で能力を下げられると、こちらもダイマックスしていたとしても強制帰宅させられてしまうのは明確な弱点でした。相手のゼクロムの展開をダイマックスで止めようとしたらダイドラグーンで「・・・。」って感じになったりしかねないので、可能であれば脱出パックはなるべく対戦の序盤の方で発動させてしまった方がスムーズに詰めを行える対戦が多いという印象でした。
本構築の構成上、このポケモンは初手対面で脱出した後終盤まで生存しているパターンも少なくありません。その際、命中不安に頼らない確実な詰め筋となれるよう、地面技は地震を採用しました。ですが、HS ベースのザシアンへのダイアースの乱数が変わったりするので、断崖の剣の採用も一考の余地ありかなと思います。
ダイジェットからの展開で最も高い制圧力を発揮できると考えて採用しました。
↑ こちらの記事を拝見して回復木の実イベルタルの発想に感銘を受け、本構築でも採用を考えましたが、本構築でイベルタルを選出する場合はグラードンの初手電磁波 + ステロからこちらが先にダイジェットを展開する動きになる場合が多いと考え、そうであれば事前に S を上げた状態でザシアンをワンパンできる可能性が高い珠に優位性があるとの思考に至ったため、結局普通の珠イベルタルを採用しました。
上述のようにこちらの先行ダイマの展開が多くなると考えたので、相手の切り返しダイマに対してさらに切り返しの手段となりうる追い風をダイウォール媒体として採用しました。これにより、相手のイベルタルなどがダイジェットで切り返そうとしてくる動きに対して、追い風 + 後続のザシアンで切り返しを阻止する動きが実現できます。このとき、相手のイベルタルのダイジェットに先んじて追い風を打てる展開を少しでも増やすため、耐久微振りなどはせず S にもぶっぱする配分で採用しています。
スカーフで採用することで現環境のほとんどのポケモンに先制でき、オバヒ脱出からの展開で様々なポケモンを上から縛ることができると考えて採用しました。
本構築は後述のザシアンの選出率が非常に高いことからこのポケモンにダイマックスを切る機会も少なくなく、その際にダイウォールが欲しい場面がそこそこあったので、技構成のラスト 1 枠には補助技の中で一番打つ機会がありそうと考えた電磁波を採用しました。イベルタルの追い風と似た要領で、スカーフ潮吹きで一体倒した後ダイジェットで切り返して来ようとする相手に対してダイアタックで S を上げさせずに裏のザシアンで処理するような動きが実現できる破壊光線も採用圏内だと思います。
・ザシアン
構築の要点の章ではアイコンが登場しませんでしたが、実際には選出率の非常に高い重要なピースです。基本的には上述の展開を作った後 3 体目に出して詰めの動きをすることが多いですが、高い数値や優秀なタイプを活かしてサイクルに参加するなどの柔軟な動きで展開を補佐します。
現環境の S ラインは、最速ザシアンの 220 にわずかに及ばないような素早さのポケモンが全くおらず、最速ムゲンダイナ (いるのか?) の 200 や最速マーシャドー (意地っ張りの方が主流?) の 194 ですらそれほど個体数が多いわけではないため、最速ザシアンの同速勝負を諦めるだけで非常に多くの数値を耐久や火力に回せるのではないかと考え、S は最低限に抑えて HA に厚めに振る配分で採用しました。これにより、雨下で珠イベルタルへの後出しを比較的安心してできたりなど、様々な場面で有効に働いたと考えています。
技構成ですが、相手の切り返しを最大限止めるための巨獣斬 + 電光石火と、ここまでで軽くないゼクロムやパルキアへの打点となるじゃれつくは確定として、ラスト枠には展開次第で重くなるディアルガへの打点となるインファイトを採用しました。オバヒ脱出展開でザシアンを出して 1 体倒した後、HS ベースのザシアンを死に出して剣舞を積んでくる相手に対し、電光石火と晴れを合わせて咎めることができる炎の牙の採用も面白いような気がします。
・ゼクロム
グラードンのステロからの展開が強力で構築コンセプトにも合致しており、ここまでで重めとなる相手のカイオーガと展開次第では簡単に詰んでしまうルギアに対し明確に強い点を評価して採用しました。珠をイベルタルに取られていた、というやや後ろ向きな理由で弱点保険での採用としましたが、このポケモンに弱点を付ける技を持ったポケモンは環境にかなり多かったので、活きる場面も多かったです。
技構成もテンプレ通りなため特筆すべきことはないですが、火力ではなく耐久に努力値を回しました。これによってダイマックス時にザシアンのじゃれつくを受けた後一度引かれてもダイマックス終了後に電光石火を耐える HP を残せたり、ザシアンでカイオーガに突っ張って上から倒された場合はスカーフ確定なのでゼクロム死に出しから龍舞できたりなど、想像以上に強力に働く場面が多かったです。
・バドレックス
カイオーガと同様、オバヒ脱出展開から上から制圧する力を評価して採用しました。特に、こちらのザシアンの S を切ったことで型次第では重めとなる相手のザシアンを、襷が残っていればよほど珍しい型でない限り確実に止めることができるのが非常に大きいです。現環境ではステルスロックを撒くポケモンが一定数存在しますが、その中の一体であるランドロスに対しては、こちらのグラードンとの対面で脱出パックが発動するためそのままステルスロックを撒かれる前にこのポケモンを着地できることがあるのは面白い動きだったと思います。
メインウェポンの霊技超技と詰め筋にもなる悪巧みをまず採用し、残り 1 枠にはダイアタック媒体となる破壊光線を採用しました。C+1 状態のダイアタックは耐久微振り程度のイベルタルに 75% 以上入るため、グラードンがステルスロックを撒く→ザシアンで一度イベルタルを流す→裏のポケモンを黒バドレックスで倒す、のような展開ができた場合は、相手の死に出しイベルタルに対してダイアタックを打つことで、相手がダイマックスをしてきた場合でも 2 発目のダイアタックでの突破を狙うことができました。ただ、何らかの理由でグラードンを初手に置きたくない場合、このポケモンは襷持ちであるということもあり初手に置ける対戦もあるので、挑発や鬼火などの初手置きで展開を作れそうな技を採用するのも選択肢に入るかと思いました。
結果 & 感想など
クロスファイア 予選抜け (個人 3-2)
決勝トーナメント 1 落ち ベスト 8
めっちゃ勝てたって感じではない上に勝った対戦は運がよかった内容ばかりでしたが、逆に負けた対戦も (ザシアンの初手ソーラーブレードでグラードンがワンパンされた対戦を除いて) 構築のせいで負けた、という感じではなかったので、「安定した展開をつくる」という点においては、新環境が始まって 1か月足らずの現時点としてはそこそこの完成度まで上げられたのではないかなという印象です。
個人的には、選出択や対戦中のじゃんけんを、構築の組み方を工夫することでいかに減らして再現性の高い立ち回りを実現するか、というところにこのゲームの一番の面白さを感じているのですが、8 世代のダイマックスというルールはその難易度を非常に上げていると考えています。そして、その中でも特に現ルールはその難易度が高いと感じているのですが、それでもその問題を解決したような洗練された構築が出てくることを楽しみにしています。
おまけ:vs ランドバドザシ
現環境ほぼ唯一効果的に構築単位のメタを貼れるくらい使用率がある並びだと考えたので、一応立ち回りを考えておきました。
左側のアイコンが自分側、右側のアイコンが相手側として書きます。
この通りに上手く事が運ぶとは限りませんが、選出画面で展開予測する際などには多少役に立つかもしれません。
・グラードン展開 vs ランドバドザシ
初手対面
脱出→ザシアン
巨獣斬 襷で耐えて地ならし
電光石火 スカーフ黒バド引きで透かす
落ちる アストラルビット
アストラルビット アストラルビット → 落ちる
アストラルビット 巨獣斬で落とす
あとはダイバーン連打
web版 damage combination β版
はじめに
もし使っていただける方がいらっしゃいましたら、バグが起きた際などにはご連絡いただけますと大変助かります。
タイトルの通り、本ツールはまだ β 版 (= 未完成の状態) ですので、
- デザインなどはまだ十分考えられていないためお見苦しい部分があります。
- スマホからのアクセスは想定はしていません。PC からのご利用でお願いいたします。
- 後述のように未実装の部分があります。
- 計算結果が正しいとは限りません。未発見のバグもたくさんあると思います。
- 修正などのため、予告なく非公開にする場合があります。
以上の点をご了承いただいた上でお試しいただくようお願いいたします。
ツールはこちら → Damage Combination
基本的な使い方
上記リンクをクリックしていただくと、以下のような画面に遷移すると思います。
以下のように画面が乱れてしまう場合は、ウインドウを最大化してみてください。
それでも乱れてしまっている場合は、すみませんが次回の更新をお待ちください。
(ウインドウの大きさ次第では対応できていないので、多分そのうち対応できるように直します。画面が乱れていても計算自体はできると思います。)
攻撃力、技威力、タイプ一致かどうか … などの情報を入力して右上の実行ボタンを押すと、そのターンにそのポケモンが瀕死する確率を表示します (各項目については後述)。
技の条件などを変えてさらに実行ボタンを押すと、複数技の連携で瀕死する確率を表示します。
実行ボタンの右側の結果リセットボタンを押すと、今までの結果をリセットして 1 ターン目から計算しなおすことができます。
(リセット後の計算で計算結果がおかしい場合は、数回結果リセットボタンを連打してから再計算を開始してみてください。)
Damage Combination ができること
・複数技の連携による瀕死率計算
前項でも記述したように、本ツールは複数種類の技の連携による瀕死率を計算できます。複数ポケモンによる連携も計算可能です。
あまりターン数が長いと計算が重くなってしまう場合がありますが、実用の範囲では大体大丈夫と思います。
・木の実の発動考慮
途中で防御側のポケモンが木の実を食べるかもしれないし食べないかもしれない、みたいな場面を計算できます。
防御側のアイテムで木の実を選択することで、発動条件が整ったときに自動で木の実による回復を計算します。
残飯などの毎ターン発動する系も選択すれば考慮して計算します。
・急所率を含めた計算
急所を考慮した瀕死率を計算できます。急所ランクも変更できます。
急所を考慮したくない場合は、急所ランクを「急所に当たらない」にすることで考慮せずに計算もできます。
・ダイマックスによる HP 変化
1 ターン目の技を通常状態で受けて、2 ターン目の技をダイマックスして受ける、というような状況のとき、ダイマックスによる HP の変化を考慮に入れて瀕死率を計算できます。逆に途中でダイマックスが終わる場合も計算できます。
その状態で木の実などのアイテムが発動した場合、発動条件にもダイマックスを影響させて計算します。
各項目について
・攻撃力
攻撃側のポケモンの A or C の実数値です。物理特殊の違いには対応していないので、A or C の対応する方の数値を入力してください。
・命中率
技の命中率を設定できます。% 単位です。命中率を 100 以外に設定すると少し計算量が増えるので、動作が遅いと感じる場合は 100 % として計算してみてください。
・技威力
技の威力を入力してください。例えばインファイトなら 120、みたいな感じです。
・攻撃ランク
攻撃ランクを選択してください。急所の時マイナスのランクを無視する仕様が未対応です。ランクをマイナスにする際は、後述の急所ランクを「急所に当たらない」にするのがおすすめです。
・タイプ一致
タイプ一致技の場合はチェックしてください。後述の特性「てきおうりょく」にも影響します。
・急所ランク
急所ランクを設定してください。急所を考慮したくない場合は「急所に当たらない」を選んでください。「急所に当たらない」を選ぶと計算量が減って動作が速くなります。
・天候
天候によって技威力に変化がある場合は選んでください。特性などへの影響や定数ダメージについては未対応です。
・フィールド
フィールドが技威力に影響する場合は選んでください。グラスフィールドの回復は未対応です。
・やけど
チェックすると、攻撃力が半減します。特殊攻撃を想定する際はチェックを外してください。
・アイテム
各種アイテムを選べます。
・特性
各種特性を選べます。「おやこあい」など、一部未対応です。
・HP
防御側のポケモンの計算開始時の HP を入力してください。2 ターン目以降は変更できません (ツールが内部的に計算しています)。
・防御力
防御側のポケモンの B or D の実数値です。物理特殊の違いには対応していないので、B or D の対応する方の数値を入力してください。
・防御ランク
防御ランクを選択してください。急所の時プラスのランクを無視する仕様が未対応です。ランクをプラスにする際は、先述の急所ランクを「急所に当たらない」にするのがおすすめです。
・ダイマックス
防御側がダイマックスをする場合にチェックしてください。2 ターン目以降でチェックした場合、その前のターンまでは通常状態、そのターン以降はダイマックス状態として瀕死率を計算します。チェックを途中で解除した場合も同様に、その前のターンまではダイマックス状態、そのターン以降は通常状態として計算します。
・リフレクター/ひかりのかべ
壁を想定する場合はチェックしてください。ランクと同じく、急所の時に無視する仕様が未対応ですので、先述の急所ランクを「急所に当たらない」にするのがおすすめです。
・状態異常
状態異常を想定する場合は選択してください。技のダメージの後、状態異常のダメージを受けた後の瀕死率を計算します。「もうどく」を使う場合は、1 ターン目からかかっている状態にしてください (途中から猛毒にかかるパターンは未対応です)。
・まもる (ダイマックス技貫通)
選択すると、ダイマックス技を守った判定になってそのターンのダメージがおおむね 1/4 になります。
・アイテム
各種アイテムを選べます。木の実などは、計算中に発動条件が整った場合は自動で発動するものとして計算をします。2 ターン目以降は変更できません。
・特性
各種特性を選べます。発動条件が限られる特性でも、選択した場合は発動しているものとして計算を進めます。2 ターン目以降は変更できません。
・タイプ相性
タイプ相性を選択してください。
おねがい
・たまに「結果リセット」がうまくいかないことがあって調査中です。うまくいってなさそうだったら、何回か結果リセットボタンを連打してから計算を再開してみてください。
・前回の更新から間が大きく空いたことからもわかるように開発のモチベーションは基本的に高くない時期が多いので、あんまり早急な更新には期待しないでください。
・「こんな機能が欲しい」「こんなバグがあった」などありましたらお教えいただけますと嬉しいです。ただし上述の通り早急に対応できるとは限らないのでそれでもよければという形でお願いします。。。
情報を入力する部分 (UI の部分) については私の方でもう少し考えようと思います。
・web アプリの作成はあまり知見がない状態から手探りで始めていますので、温かく見守ってください。
よろしくお願いいたします m(__)m
S22最終34位 - 最速ザシアン軸
シーズン22お疲れさまでした。
使っていた構築を紹介します。
個体紹介
・ザシアン
特性:不撓の剣
性格:陽気
配分:0-252-0-0-4-252
持ち物:朽ちた剣
技構成:巨獣斬/じゃれつく/炎の牙/剣の舞
調整の意図:
・DL調整
特性:威嚇
性格:呑気
配分:252-0-252-0-4-0
持ち物:ゴツゴツメット
特性:ミストメイカー
性格:臆病
配分:0-0-0-252-4-252
持ち物:拘り眼鏡
技構成:波乗り/ムーンフォース/草結び/トリック
特性:アナライズ
性格:図太い
配分:244-0-252-0-0-12
持ち物:進化の奇石
技構成:トライアタック/イカサマ/冷凍ビーム/自己再生
調整の意図:
・HP16n-1
・麻痺した最速ウーラオス抜き (サンダーを採用していた時の名残り)
特性:貰い火
性格:穏やか
配分:212-0-12-4-108-172
持ち物:食べ残し
技構成:マグマストーム/大地の力/挑発/守る
調整の意図:
・HP16n+1, D11n
・早めのゴツメネクロズマ抜き
・無振りサンダー抜かれ
・A222ザシアンの+4巨獣斬の乱数がずれるライン (剣舞後メタモンにコピーされたことを想定。守るを挟みながら受けることで65%程度で3耐え。)
【S21 最終35位 最終レート2120】日食レヒレランドサイクル - さにーの構築置場
特性:マルチスケイル
性格:意地っ張り
配分:4-252-0-0-0-252
持ち物:拘り鉢巻
技構成:逆鱗/ダブルウイング/神速/岩雪崩(炎のパンチ)
構築の要点
・ザシアンを使おう
自身が勝ち筋となる性能・サイクル参加性能をともに高い水準で確保しており、禁止伝説・一般ポケモン問わず非常に広い範囲の相手と殴り合え、完封されるような極端に不利な対面がかなり少なく、その数少ない不利対面も比較的裏で対処しやすいポケモンしかいないという、ポケモンの結論のような性能をしているこのポケモンを禁止伝説枠として使うことが、幅広い相手に柔軟かつ安定した対応ができる構築を組む上で重要だと信じてやまないので、今期もこのポケモンから組み始めました。
禁止伝説枠のポケモンの力関係は未だ結論が出ないところではありますが、あくまで現時点で個人的には、ザシアンをランクSとしてその他禁止伝説をB以下に置きたいくらいこのポケモンに抜群の評価をしています。
このポケモンを軸とした構築を組む上で、以下に列挙するような工夫を構築内に入れ込みました。以下では、より重要度が高いと感じた要素から順に記載しています。
・ザシアンミラーに対する勝率の確保
トップメタとなるポケモンを使う上で常に重要になってくることですが、相手もそのポケモンを使ってくることが多くなるため、ミラーマッチを何かしらの方法である程度解決する必要があります。
今回はザシアンミラーである程度の勝率を出すため、以下の2点を満たせるように構築を組みました。
1. ザシアンより速く、ザシアンに有効打を持てて、一貫を取りやすいポケモンを最低一体採用する。
2. 相手がザシアン後出し放題になってしまうようなポケモンは極力採用しない (最大でも1体まで)。
以下で1つずつ説明します。
1. ザシアンより速く、ザシアンに有効打を持てて、一貫を取りやすいポケモンを最低一体採用する。
前期からこの環境で対戦している上で、ザシアンミラーでは、「相手のザシアンより速いポケモンによる一貫を狙う」という勝ち筋を目指さない限り、最終的にはザシアン同士のS勝負で決着がついてしまうという展開が多くなると感じました。
ヌオーやウインディなどを採用しない限りザシアンを受け切るというのは難しく、例えばランドロスやカバルドンなどを採用していたとしてもある程度サイクルを回されるとザシアンに突破されてしまいます。このとき、こちらの目指す勝ち筋が「速いポケモンによる一貫」であればサイクル下でこちらも相手を削ることでそれが達成できる見込みがありますが、そうでないと結局他のポケモンも相手のザシアンに縛られてしまい、最終的にザシアン同士のS関係によって勝敗が分かれるという展開になることが多いように感じました。
そこで、この条件に当てはまるポケモンを探したのですが、結論から述べると、特に「一貫を取りやすい」というのが難しく、この条件に当てはまるポケモンを見つけることができませんでした。
最終的な候補に残ったのはスカーフヒヒダルマとスカーフメタモンでしたが、まずダルマは環境に多いザシアン+サンダーに対して一貫を取るのが難しい (ラスト1体を倒すなり大きく削った上でサンダーも削ったとしてもフレドラに対して静電気の運ゲになってしまう) 点で一貫が取りやすいとは言い難いと感じました。また、メタモンは選出画面で相手の型まである程度予測しなければ相手の構築にどれほど刺さっているのかわからず、最終的には相手の技を確認するまではっきりしたプランを作れない点と、相手にコピーしたい対象 (今回はザシアン) を場に残させないとこちらの望む展開が作れない点が不安定要素となってしまっているように感じました。
そのような背景があったため、今回は一般ポケモンにこの枠を担わせるのを諦め、ザシアンを「最速+剣舞持ち」で採用することで疑似的にこの役割を担ってもらうこととしました。もちろん相手の最速ザシアンに同速負けしてしまうリスクはありますが、最速でないザシアンも一定数いる (むしろ前期の環境を見る限り少なくとも上位では最速は少数派であった) ことと、もし最速ミラーだとしても50%で上を取ることができると考えると、ザシアンを最速にすることで全体で8割から9割程度は相手のザシアンに対して先制を取ることができると考え、疑似的ではありますが一般ポケモンを採用するよりもこの条件が満たせるのではないかと感じたため、今回はザシアンを最速で採用することにしました。剣舞を採用することで自身が勝ち筋となりやすく、「一貫を取りやすい」という条件を満たせるのは言うまでもありません。
2. 相手がザシアン後出し放題になってしまうようなポケモンは極力採用しない (最大でも1体まで)。
ザシアン軸は使用者が多い分研究も進んでいる最中で、所謂ザシアン入りテンプレのような形が現状ではまだはっきりとは存在せず、様々な取り巻きと並んでいることが多いと考えています。そのような環境では、選出画面で相手の構築を確認した後、臨機応変にその構築に対応できる選出をつくる必要があると考えました。
このとき、例えば相手がザシアン後出し放題になってしまう (=ザシアン入りには出しにくい) ポケモンを複数体採用しているとその分ザシアン入りに対する選出の選択肢が狭まってしまい、様々な種類のザシアン構築に対応できる選出を臨機応変に組むのは難しくなってしまうのではないかと考えました。
そこで今回は、たとえ他の禁止伝説を意識して採用したポケモンであっても型や技構成を工夫するなどの方法でザシアンにもなるべく抗えるようにし、ザシアン入りに対する選出の選択肢をなるべく減らさずにキープすることを意識しました。
・テンプレ化してきている並びには回答を持たせたい
今期は現環境2シーズン目ということもあり、ある程度テンプレ的な並びになってきている構築も散見されました。並びがテンプレ化してマッチング回数が増加するのであれば、ある程度それらに対する回答を持たせておけば勝率を稼ぐことができるので、それらに対する具体的な回答を用意することを考えました。
今回この対象にしたのは、前期上位にたくさんいた黒バドレックス+ゴツメランド+鉢巻水ウーラオスの並び・前期最終一位のアタッカームゲンダイナ+ゴツメポケモンの並び・ザシアン軸で厳しいといわれる日食ネクロ軸の代表的な並びである日食ネクロ+ランドロス+眼鏡カプ・レヒレの並びです。具体的にどのような回答を用意したかについては、後ほど選出の項で説明します。
・メタモン対策はしっかりしよう
メタモンは前期と比べて明らかに評価が上がり、採用数がかなり増加していたので、今期ザシアン軸を使う上では明確な対策をすることが必須だと考えました。
こちらのザシアンの性能を落とさないために巨獣斬+じゃれつくを採用することを前提とした上で、拘っていないメタモンに対しても安定して対応できることを求めたところ、最終的にヒードランが最も適任だと考えました。
ヒードランの強いところは、メタモンに対して受け出しつつ崩しに繋げられるところだと考えています。相手のメタモンを止めるだけであればウインディや他の各種鋼タイプなどでも可能ですが、いずれも相手のポケモンの受け出しを許しやすく、そこから逆にこちらが崩されたり、サイクル下で何度かメタモンを繰り出される中で疲弊して一貫を取られてしまう懸念が考えられます。しかしながら、ヒードランはメタモンへの受け出しからマグマストーム+守る+挑発によって受け出してきた相手を大きく削ることができるので安易なサイクルを許さず、こちらが疲弊しきる前に相手のメタモンを逃さず倒したり、相手のサイクルを崩壊させることができるのではないかと考えました。
なお、ヒードランを採用した理由はこの点以外にもいくつか挙げられますが、そちらについては後述することとします。
・接触運ゲに付き合わない
ザシアンを使う上での最も大きな懸念の1つとして、相手の静電気や炎の体といった3割運ゲで誤魔化されてしまう可能性があるという点が挙げられます。炎の牙持ちのザシアンの増加などに伴い、今期はザシアンの技を一部切ってナットレイやヌケニンなどを後出しされるようなケースは減少していると感じていて、逆にサンダーやウルガモスなどの、受け切るだけの耐久を持っているとは言い難いポケモンで3割を期待しながらザシアンを見てくる構築が増加していると感じました。
そこで今回はミストフィールドを展開できるカプ・レヒレを採用し、これらのポケモンによるザシアンの対処を拒否することを考えました。特に環境に多かったサンダーについてはミストフィールド+剣舞で一方的に起点にすることができるので、そこから一気に勝ちまでもっていくことができる可能性もある非常に強力な展開をつくることができました。
本構築は上の4点を主に意識しつつ、それでは補いきれいていない部分の補完も考えて採用するポケモン・型を決定しました。
個別補足
・ザシアン
高威力命中安定のメインウェポンである巨獣斬、サンダーや水タイプへの打点かつ一貫が取りやすいじゃれつく、コンセプトでもある剣舞までは確定として、ラスト1枠はメタモン対策の関係上ヒードランに通らない技を採用する必要があるため、炎の牙/氷の牙/電光石火から選択しました。この3つの技はどれも採用価値があるため好みの範疇かと感じましたが、今回は構築上ナットレイやテッカグヤに対して打点がないと選出が窮屈になってしまう懸念があったため炎の牙を採用しました。
コンセプト上最速なのは確定として、サンダーへの剣舞じゃれつくの乱数がかなりギリギリなので、Aにも振り切る配分で採用しました。
現環境のSラインとして、実数値220のこのポケモンと200のムゲンダイナの間にいるポケモンは、ムゲンダイナ抜きの201付近でいたちごっこをしているザシアン以外にはほとんどいません。そのため、このポケモンを最速にするという行為は、最速ミラーで同速に持ち込むために20近くの数値を使っているということになり、これは直感的に言えばかなり勿体ない使い方だと言えると思います。そのため最速ザシアンの採用にはかなり悩みましたが、逆に上位陣は同じ考えのもと最速までSを上げたザシアンは少ないことにも期待してSを振ることを決断しました。これだけの数値を割いているのでミラーはすべて上を取れている前提でようやくトントンくらいだと思っていたので、ミラーではすべて先制する前提で立ち回り、同速負けが多発したら型を変更するつもりで使っていましたが結局最後まで使い続けました。
汎用性を保ちつつザシアンへの後投げ性能を評価して採用。ザシアンは氷の牙の採用率が上がっていましたが、最低限威嚇+削りは入れることができるので突破されてもこちらのザシアンを死に出し、そこで剣舞を積むことで切り返していくことができました。その展開をつくるための「威嚇」という特性が、ゴツメサンダーとの最大の差別化点だと考えています。
技を打つ割合は、蜻蛉帰り>>ステルスロック>地震>>>その他という感じだったので、ラスト1枠には水地面勢に対して明確に打つ機会があると考えた草結びを採用しました。なお、草結びを打った回数が多い相手圧倒的No.1はなんと相手のランドロスだったので、ランドロスに対する非接触の有効打を採用する選択肢もあると感じましたが、身代わりビルドランドの身代わりを安定して割れそうな技が見つからなかったのでこのまま採用しました (草結びで壊せるわけではないですが。。めざ氷がほしい。。)
後述しますがザシアン+サンダーの構築に対して初手にこのポケモンを置くパターンがあるので、HBベースのゴツメサンダーに安定して打ち勝てる型で採用する必要がありました。その上で本構築は水地面系 (特にトリトドン) が重めなのでこのポケモンにも草結びを採用したく、その条件を自然に満たせる眼鏡型で採用しました。コンセプトである「ザシアン後出し放題になってしまうポケモンを極力採用しない」にも、眼鏡波乗りでそこそこの削りをいれることができる点である程度合致していると言えると思います。
波乗り2回でHBサンダーを落とせるC142と準速鉢巻ウオノラゴン抜きサンダーを抜けるS129を最低ラインとして考えたとき、残りを耐久に振っても特に耐えたい攻撃を耐えるような乱数の変化を見つけられなかったので、割り切って臆病最速としました。これにより、構築の要点時点で回答がない相手のカイオーガに対して、スカーフと環境に少ないスカーフ以外の臆病最速を除いて上から眼鏡草結びで削りを入れることができるようになりました。相手のカイオーガがチョッキやスカーフの場合は1回は雷を耐えるところもポイントです。
このポケモンの草結びは全く警戒されないというのが大きく、トリトドンなどがいる構築との対戦でこのポケモンがはっきり有利といえる対面が取れた場合、草結びを見せるまでは相手視点ではトリトドン引きが (釣り交換を除いて) 択になってすらいないので、そのような構築との対戦ではいつもより気持ち積極的に交代読みで技選択をしていました。
黒バドレックスのアストラルビットの一貫を切りつつ、ウーラオス後投げに対して大き目の削りを入れられるという固有の性能を持っている点を評価して採用。コンセプト上ザシアン入りにもなるべく選出を渋りたくないので、HB特化かつイカサマを搭載することにしました。ザシアンはAが高すぎて半減でもイカサマがそこそこの火力になる (さらに剣舞も抑制できる) ことと、A222巨獣斬まではほぼ確定2耐え、A特化でも自己再生連打で受かるくらいの耐久があるため、特にザシアン入りにマンムーが採用されている並びに対しても選出して活躍してくれました。
なお、Sの12振りについては本構築では意味がないと思っていましたが、一度だけウーラオスへの交代際にトラアタで麻痺を引いて勝ったのでそのまま採用しました。
上述のようにメタモン対策が主な役割ですが、その他にも対ムゲンダイナや対日食ネクロズマにおいては重要な役割を担います (詳細は後述) 。また、ウルガモスに対する明確な回答になれたり、サイクルに寄った構築の崩しにもある程度参加してもらいました。
ムゲンダイナへの有効打としてウオノラゴンにも通る龍の波動の採用も考えましたが、ザシアンに有効打を入れられないことから本構築で重めとなる相手のヒードランへの打点となり、サンダーに羽休めでの回復を許さない大地の力を採用しました。メテオビームムゲンダイナへの耐久が怪しいので配分はDに寄せつつ、日食ネクロズマはなるべく確実に抜いておきたいですが、サンダーとの対面でSが同速だと羽休めに合わせた大地が安定しなくなってしまうのでSは119に設定しました。
ここまでで考慮できていないホウオウ軸のループをはじめ、イベルタルやカイオーガに対しても選出できることを期待して最後に鉢巻カイリューを採用しました。
技構成ですが、使用頻度は逆鱗>神速>>ダブルウイング>>>>>その他という感じだったので、ホウオウとの偶発対面でワンパンできる岩雪崩を無難な炎のパンチと入れ替えながら使っていました。両方とも一度も選択する機会がなかったので本当にどちらでもよいと思いますが、一度だけヒトム対面岩雪崩を押すべき場面で逆鱗を押してしまうというプレミがあったので、岩雪崩を本来の形としておきます。
このポケモンはザシアンには大きく不利を取ってしまうため本構築で唯一ザシアン軸には出さないことを想定していましたが、こちらのザシアンとの相性補完に非常に優れているためザシアン以外の構築に対してはかなり出しやすく、選出機会には思ったより恵まれていました。
ヒードランと同じくこのポケモンもウルガモスに選出画面で圧力を与えるためザシアン軸でありながらウルガモスの被選出率を低く保てたのは、炎の体運ゲによる勝率低下を抑えるという面で有効だったと考えています。また、ザシアンで不利を取るエースバーンを起点に高火力逆鱗による崩しを行えたり、他に上から殴れるポケモンがいないため重くなりがちな相手のフェローチェに対して神速を打てるなどの点を併せ持つのは、他のポケモンでは代用できないこのポケモン固有の性能だったと思います。
選出
基本的に選出は相手に合わせて柔軟に行いますが、一部の環境に多い並びに対しては毎回同じ選出をしていたため記載しておきます。
・対ザシアンサンダーメタモン ...
初手にザシアンを投げ、ザシアンが来たらランド引き→蜻蛉、サンダーが来たら剣舞から入ります。ザシアンサンダー対面で麻痺を引いてしまったとしてもサンダーを倒しさえできれば、死に出しで来るメタモンに対してヒードランを投げれば相手は受からないのでメタモンを処理でき、相手のザシアンが格闘技+氷の牙の両方を採用している場合でなければヒードランとランドロスのどちらかで基本的には打ち勝つことができます。
初手ザシアンの剣舞に対してサンダーがボルトチェンジ→メタモンと来るのが最悪のパターンですが、その場合はヒードランを受け出すことで、マグマストームの命中率などの運が絡みますが相手は基本的に受け出しが効かないので、そこで数的有利を取れれば有利に展開できます。
この選出に対して運を絡ませずに勝つのは難しいと感じたので、「運は絡むがはっきり有利」というのを目指して構築・選出を組みました。実際に勝率としてはそこそこ高かったと思います。
・対ザシアンサンダー@1 (メタモン以外) ...
相手の構築にメタモンやその他この選出の弊害になるポケモンがいない場合は、初手レヒレから入ります。相手がザシアンから来た場合はランド引き→蜻蛉、サンダーから来た場合は波乗りかムンフォを打てば対面打ち勝てるので結局相手はザシアンを投げてくることが多く、そこでランド引き→蜻蛉からこちらのザシアンを展開します。ランドに対してサンダーが出てきた場合はミストフィールドを盾に剣舞、ザシアンがランドに突っ張ってきた場合は威嚇+削りを入れて巨獣斬圏内に入れた状態でこちらのザシアンを展開できるので、状況に応じて剣舞か巨獣斬を選択します。ザシアンが剣舞を積めれば一気に勝負を決められることが多く、この選出ができた際はかなり高い勝率をキープできていたように感じます。
ザシアンが剣舞を積んだ後でもミストフィールドが切れた状態でサンダーが来た場合は、一度レヒレに引いて再度ミストフィールドを展開する動きで運ゲすらさせずに勝てる展開が多かったです。
・対黒バドランド水ウーラオス ...
初手でザシアンを投げて黒バドが来たとき、多くの場合は眼鏡アストラルビットかランド引きをされたのでこちらはポリ2に引き、どちらにしてもトライアタックを選択してウーラオスを削ります。ウーラオスにトラアタを当てることができれば基本的にゴツメ3回圏内に入るので、ランドを後投げして水流連打を受けても11交換を取ることができ、相手はポリゴン2が厳しくなります。
相手の初手などによってある程度臨機応変な対応が必要になるため非常に安定していたかといわれると怪しいですが、相手に2-3回読み行動を通されない限りは基本的に有利に展開できることの方が多かったように感じます。終盤はマッチングした黒バドの採用率がサイコキネシス>>サイコショックであった点は、HBポリ2を使う上で逆風でした。
・対ムゲンダイナ+ゴツメ ... @1 (相手のゴツメに強そうなポケモンなど)
少なくとも前期の最終1位の方が使っていたこの手の構築はザシアンをゴツメで削ってムゲンダイナを通すことを主眼としているので、ザシアンの裏にもう一体ムゲンダイナに有利なポケモンを採用しておくことでその展開を阻害できて有利に立ち回れるのではないかという考えのもと、ヒードランを選出します。
この相手に関しては並びが十分テンプレ化しておらず、ある程度臨機応変な選出が求められますが、ラス1にカイリューを選出できた時が最も勝率が高かったように感じます。
・対日ネクランドレヒレ ...
日食ネクロズマの地震の搭載率がかなり下がっていたので、日食ネクロズマにはヒードランの後投げを積極的にしていました。相手はレヒレに引いてきますが、この並びのレヒレは前期当たった限りでは眼鏡が大多数を占めていたので、一度守って拘りロックし、波乗りであればポリ2引き、トリックであればザシアン引きで対応していました。このサイクルが成立すればマグマストームでレヒレが削れていくので、問題なくサイクル勝ちすることができます。
何らかの要因でこのサイクルを続けることが難しい場合でも、ヒードランのマグマストーム+守るが崩しのスピードとして遅くないのでザシアンの数値を利用して無理やりサイクルを維持して先に崩したり、ポリ2のイカサマで日ネクに削りを入れた後ザシアンの剣舞炎の牙で一貫を取るような勝ち筋も残せているため、ウオノラゴンや鉢巻ウーラオスが採用されていない日ネク軸には、ザシアン入りでありながら非常に高い勝率を保てたことは本構築の良いところだと考えています。
結果
最終34位 レート2098
コンセプトとしてはそこそこ強い考え方ができたのではないかとも思いましたが、一方まだまだ相手が仕掛けてくる運ゲに付き合わなければいけない場面があったり、こちらもマグマストームを連打してめちゃくちゃ運ゲしてたりと、改良の余地は残されているとも感じています。
本ルールになってからザシアン以外の禁止伝説にはまともに触れていないのですが、他の禁止伝説で結果を残されている方も一定数おられるので、私が感じているほどザシアンと他の禁止伝説の差は大きくないのかもしれないとも思っています。来期も潜ることがあれば、日ネク辺りから他の禁止伝説も使ってみたいなと思います。
それでは今回はここまでになります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
S21最終17位 - ザシアン軸命中90スタン
シーズン21お疲れさまでした。
使っていた構築を紹介します。
ザシアンを強く使いたい
数値・タイプ・特性・覚える技のどれを取っても非の打ちどころがなく、禁止伝説の中でも抜群の性能を誇るザシアンですが、当然ながらその分対策も進んでおり、その性能を最大限活かすためには他のポケモンとの連携を取ることが不可欠だと感じました。そこでまず、ザシアンを絡めてどのような動きができれば強い展開を作れるか、というところから構築をスタートしました。
そして、結論から述べると、ザシアンの性能を活かす強い動きは、主に以下の3点があげられるのではないかと考えました。
1. ザシアンで相手の受けを削るないし突破し、裏のポケモンを通す。
2. ザシアンの圧力で汎用性低めな受けポケモンを場に出させ、裏のポケモンでそこを起点に崩す。
3. サイクル下で相手を削り、最終的にザシアンまたは裏のポケモンの一貫をつくる。
以下で1つずつ説明します。
1. ザシアンで相手の受けを削るないし突破し、裏のポケモンを通す。
例えば相手の物理受け枠がランドロスやカバルドン、サンダーだった場合、ザシアンに受け出させることができれば致命的なダメージを与えることができ、それらのポケモンでさらに別のポケモンを受ける、ということが難しくなります。
そこで、ザシアンで有利対面を取って敢えてザシアンに物理受けを投げさせ、そのままザシアンで突破ないし大きく削りを入れ、こちらの裏の高速物理アタッカーで一貫を取る、という動きは、物理受けを複数体採用した相手でなければ再現性が取りやすいのではないかと考えました。
そこで本構築はスカーフエースバーンを採用し、ザシアンが物理受けを削った後一貫を取りに行く役割を担ってもらうこととしました。エースバーンである理由については後述します。
2. ザシアンの圧力で汎用性低めな受けポケモンを場に出させ、裏のポケモンでそこを起点に崩す。
1. の戦術はザシアンに対して受け出してきた物理受けが疲弊している前提で成り立つため、例えばヌオーやウインディのようなザシアンに何度も受け出して回復が間に合ってしまうような相手には通用しません。ですが、そのようなポケモンは蜻蛉帰りのような展開をつくる技を覚えず、また、特にヌオーは次サイクルでもザシアンを受けるためじゃれつくを受けた後は自己再生を選択せざるを得ないため、そこでこちらは受け出しを成立させにくいポケモンに交代し、そこから崩しを狙っていくことができるのではないかと考えました。
今回、本構築で採用したポケモンは眼鏡ラティオスとウオノラゴンになります。こちらもその理由は後述します。
3. サイクル下で相手を削り、最終的にザシアンまたは裏のポケモンの一貫をつくる。
ザシアンの強みとして、火力が非常に高いだけでなく、アタッカーとしては非常に耐久が高く、またタイプも優れているため、積極的にサイクル参加できるという点も挙げられます。そこでそれを活かし、サイクル下で相手を削って場合によっては何度もザシアンを場に出し、相手のサイクルを先に疲弊させてこちらのザシアンないし裏のポケモンを通すという動きができるのではないかと考えました。
サイクルの中でも特にウインディやファイヤーを相手にする際は、ステルスロックを撒けているかどうかでザシアンの通しやすさが大きく変わります。そこでステルスロック撒き要員としてカバルドンを採用。また、ザシアンが不利対面を取ってしまった際の引き先の1つとして、HB振りのゴツメサンダーを採用しました。例によってその理由は後述します。
実際の対戦ではこれらのうち通しやすい戦術をなるべく柔軟に選んでいく必要があります。そこで、次に説明するように、なるべく多くの自然な選出パターンを組めるように各ポケモンの型を決定しました。
個体紹介
特性:砂起こし
性格:腕白
配分:252-0-12-0-244-0
持ち物:オボンの実
調整の意図:
・B11n
・C197ムゲンダイナのダイマックス砲をオボン無しで2耐え(目安)
・C217黒バドの眼鏡アストラルビット確定耐え
サイクル下で有利になるステルスロックを、特に強く使えるポケモンとして採用しました。
同じくステロ+欠伸ができるラグラージと採用を迷いましたが、採用の決め手となったのは「砂起こし」という特性です。この特性はザシアンとの相性が非常によく、ザシアンの苦手とするウインディやネクロズマの回復量を制限したり、ヌケニンを砂+ステロで確実に葬ったりできることに加えて、こちらのカバ+ザシアンには通らない砂の削りが想像以上に大きく、これによって確定数がずれることも少なくありませんでした。当然のことですが、改めて場に出ただけで4/16のHPを削ると考えたらそりゃ強いわって感じがします。
配分としては、特にムゲンダイナに後出したり、対面からステロ+欠伸をしてもらうことが多かったので、HDに寄せた配分にしています。少し後述しますが本構築は黒バドレックスが少し重めになっており、そのバドレックスに対して眼鏡リフスト以外は一度は動いて流せるというのもポイントです。
今期は吹き飛ばしを切って怠けるなどを採用しているカバルドンが多かったのかこのポケモンの前で身代わりを貼られる機会なども少なくなく、本構築において吹き飛ばしは必須の技であると感じました。
特性:浮遊
性格:臆病
配分:0-0-4-252-0-252
持ち物:拘り眼鏡
眼鏡サイコショックと拘りトリックによって、古のサイクル崩しをすることができる眼鏡ラティオスを採用。
特に今期の受け回し系の構築は未来予知などの最近のトレンド的な崩し方の対策をかなり研究されていた印象ですが、逆に古の崩し方をするこのポケモンは全く警戒されておらず、またラティオス特有の強みとして受け回し系に入っているムゲンダイナはほとんどの場合上を取っているので、それも相まって受け回しには圧倒的に強く出ることができました。記憶している限りでは、ガッツリ受けに寄ったムゲンダイナ入りの受け回しには一度も負けていないと思います。
その他、受け回し系に限らずとも上述のようにヌオーやウインディなどの物理受けがいる構築で、龍星群とサイコショックの両方を安定して止めることができるポケモンがいない構築に対しては積極的に選出し、相手の構築を大きく崩してくれました。腐っても眼鏡龍星群の火力は馬鹿にならず、龍星群2連発では倒せない例えばバルジーナのような相手も1発目で半分以上入れば回復技に合わせて一度引き、少し削れた状態で相手に交代させることで次のサイクルで崩すような動きもできました。また、ザシアンとのタイプ補完が非常に優れており、2体でサイクルを回したり詰め筋として拘りトリックを決めたりできるのもラティオスの採用理由の1つです。
ザシアンがいる構築に対して選出せざるを得ないときは、ヌオーなどとの有利対面で気合を入れてマジカルフレイムを打つことを徹底していました。
・ザシアン
特性:不撓の剣
性格:意地っ張り
配分:188-236-4-0-4-76
持ち物:朽ちた剣
技構成:巨獣斬/じゃれつく/ワイルドボルト/電光石火
調整の意図:
・H16n-1 & 6n-1, A11n
・A197ランドロスの地震を乱数2個切って耐え、A132カバルドンの地震+ゴツメ2回を最高乱数以外耐え
・C217黒バドレックスの眼鏡アストラルビットを最高乱数以外耐え
・H215-B187カバルドンを巨獣斬で確定2発
・ミラー意識でなるべくSを高く
言わずもがな本構築の軸になるポケモンです。
高い性能を誇る巨獣斬と、裏の一貫を作るためにサンダーに打ったり、自己再生を強要するためにヌオーに打ったりするじゃれつくは個人的に外せないと考えていて、残り2枠には打てる相手が多いワイルドボルトと、自身の詰め性能を上げる電光石火を採用しました。インファイトや剣の舞の採用も考えましたが、前者はヒードランの被選出率が低く打つ相手が限られると考えたこと、後者は本構築に求められるザシアンの役割を考えると、例えばサンダーに対しては静電気を引いたとしても突破さえしてくれれば裏の一貫が作れるためそれほど接触回数を気にする必要がなかったり、カバルドンなどの削りによって自身が詰め筋になる際にも舞わずとも火力が足りる場面が多いと判断して、採用を見送りました。
努力値配分ですが、後出される物理受けをなるべく突破するべくAを高くキープし、残りでなるべく広範囲のポケモンに対して安全に突っ張れる耐久と、ザシアンミラーでたまには上を取れそうなラインのSを確保しました。副産物ですがSがラティと同速であり、初手のムゲンダイナ対面の特性順でこちらの方が早いと分かった場合ラティでも上がとれるということがわかるため、そのような場面で立ち回りを安定化させることができました。
当初の想定通り、本構築におけるザシアンは期待通りの活躍を見せてくれました。
・サンダー
特性:静電気
性格:図太い
配分:252-0-252-0-4-0
持ち物:ゴツゴツメット
技構成:放電/ボルトチェンジ/熱風/羽休め
調整の意図:
・ミラーでなるべく後攻ボルトチェンジをするためS無振り
タイプと特性によって状況次第で相手のザシアンへの後出しが弱くない行動になりつつ、こちらのザシアンが苦手とするランドロスやエースバーンへの後出しを成立させ、さらにそのランドロスの裏にいるドヒドイデやカプ・レヒレといった水タイプにも弱くなく、その上回復技と対面操作技を覚えるという、破格に優遇されていると感じるポケモン。ザシアンとの相性補完もよく、本構築でサイクルを回す上で唯一無二の性能を持っています。
当初は電磁波を採用していましたが、当てたい相手に電磁波が通ることが少なく、また、電磁波を押したら相手が先攻で接触してきて静電気を引き、電磁波が不発に終わるということが何度かあって勿体なく感じたため、放電とボルチェンを両立した構成で使用しました。どちらか片方を見せるともう片方は完全に切った立ち回りをされるので、状況次第でそれを利用してアドを稼ぐことができました (ボルチェンをドヒドイデにトーチカされた次のターンは熱湯を打たれることが多く、そこに放電を合わせるなど)。
暴風は当たらないので熱風採用。正直地面タイプに対して打つ機会が多かったので暴風でもよかったですが、ゴツメランドやオボンカバは熱風一発でザシアンの巨獣斬2発圏内に入るため命中率を重視しました。
初手の相手のザシアンに後投げするようなプレイングは、運がよくない限り簡単に数的有利を取られる弱い行動なので、ザシアンミラーは一度巨獣斬で削ってからこのポケモンのゴツメで倒しに行くようなムーブを多用しました。そのタイミングで相手がゴツメランドなどに引いてきても有利対面ができる点も強かったです。
・エースバーン
特性:リベロ
性格:意地っ張り
配分:0-252-0-0-4-252
持ち物:拘りスカーフ
技構成:火炎ボール/飛び膝蹴り/思念の頭突き/蜻蛉帰り
調整の意図:
・DL意識でD4振り
ザシアンが相手の物理受けを突破した後に一貫を狙うポケモンは、相手の禁止伝説を倒す必要があります。その中でも特に採用率の高い相手のザシアンについては高い勝率をキープできないとレートを上げるのは難しいと考えたため、この枠に採用するスカーフ枠としては、上からザシアンをワンパンできるヒヒダルマとエースバーンから選択することにしました。
エースバーンを最終的に選択した理由は、HP管理のしやすさにあります。両者ともステロが抜群なため、ステロ+他の要因で削られたりしてしまうとザシアンの電光石火圏内に入って詰めに失敗してしまう可能性が考えられます。そこで、火炎ボールという超優秀技を持ち、フレアドライブを採用せざるを得ないヒヒダルマと違ってHPを高くキープしやすいエースバーンを今回は採用しました。特にザシアン入りに対しては、一度初手にエースバーンを投げてザシアンを流し、そこから展開を作っていくこともありましたが、ヒヒダルマで同じことをしようとするとゴツメ枠に引かれた際にフレドラでこちらも削れてしまうため、その立ち回りを安定させるのは難しいのではないかと考えられます。また副産物として、相手のヒヒダルマやサザンドラを確実に抜いている点も強かったです。
思念の頭突きはほとんど打たなかったので他の技でもいいですが、命中安定の捨て身タックルが環境的に一貫しにくいと考えたのもあり、そのまま採用し続けました。黒バドに打てるダメ押しの採用も考えましたが、不意打ちをケアされるこのポケモンが黒バドにダメ押しを当てる場面が実際に来るのかどうかは未検証です。
余談ですが、当初はザシアンのSを落としてメタモンにコピーされてもこのポケモンで抜けるようにしていました。しかしながら、襷メタモンが増えていたり、リスキーな行動を仕掛けてくるメタモンが多かったりであまり機能しなかったため、メタモンの個体数がそれほど多くなかったものあり「メタモンにはサンダー投げて2回触れさせて静電気で麻痺らせて処理するわ!」と割り切ってザシアンのSを上げました。その後メタモンにザシアンをコピーされることはなかったため、その判断が吉と出たのか凶と出たのかは謎のままです。
・ウオノラゴン
特性:頑丈顎
性格:寂しがり
配分:252-132-0-0-124-0
持ち物:突撃チョッキ
技構成:エラ噛み/龍星群/噛み砕く/岩石封じ
調整の意図:
・C222カイオーガの眼鏡雷を少し余裕をもって2耐え
・C217黒バドレックスの悪巧みアストラルビット(≒C197珠+1アストラルビット)を最高乱数以外耐え
・岩石封じ+龍星群でH165-B120-D100ウオノラゴンを命中率非考慮で97%程度倒せる
前章では崩し枠と紹介しましたが、実際には崩しに加えてこの構築の穴埋めを兼任する、ちょっと変わったウオノラゴンです。
ここまでで本構築はカイオーガと黒バドレックスが重めなため、崩しを兼ねつつそこを見れるポケモンとして採用しました。特にカイオーガに対してはザシアン対面から引くことで比較的安全に水技に対して受け出し、そこから雨タダ乗りエラ噛みで相手を大きく崩していくことができます。もし突っ張られた場合も岩石封じ1回で準速までのスカーフでないカイオーガをちょうど抜くことができ、そこから先攻雨エラ噛みで殴っていくことができます。また、黒バドと対面を取れれば相手は鉢巻エラ噛みの圧力を考慮せざるを得ず、まず間違いなく突っ張ってくるので噛み砕くで返り討ちにできるのもポイントです。
その他、展開次第で相手のウオノラゴンが厳しくなる場合、エラ噛みへの受け出し先としての役割も担ってもらいました。その際、岩石封じ+ドラゴンダイブでは命中非考慮でも8割程度でしか落とすことができないためとても信用できる確率ではなく、逆鱗を打ってしまうと裏のザシアンに無償で舞われて悲惨なことになったりするので、火力がギリギリ足りている龍星群を採用してみました。この技自体の使用感は悪くなかったですが、性格はBに下降補正をかけざるを得ず、せっかくHPに振っているのに鉢巻エラ噛みがそこそこいいダメージになってしまうのは残念なポイントでした。
自然に黒バドとの対面を取るのがなかなか難しく、思い通りに黒バドを倒せないことも多かったですが、砂下で黒バドに死に出すと必ず砂かきを警戒されるため、それを利用して一度交代させて裏を倒し、砂が終わって再び黒バドが来てもその攻撃を耐えて噛み砕くで返り討ちにするという立ち回りを途中で思いつきました。これが通るのであれば黒バド入りに対する立ち回りの幅が広がるかと思いましたが、結局思いつくのが遅すぎて次に黒バドに当たる前に潜るのをやめてしまったため、真相は闇の中です。
実際の対戦では、これらのポケモンを組み合わせて選出を作っていきます。
次章でその一部を軽く紹介して、記事を締めようと思います。
選出パターン
3体の並びは順不同です。最初に書いてあるポケモンを毎回初手に投げるわけではありません。
・ザシアンサンダーエースバーン
主にザシアンミラーで用いる選出。よくある立ち回りパターンとしては既に述べたように、こちらのザシアンで相手のサンダーやランドロス、カバルドンに削りを入れたり突破したりした後、こちらのエースバーンの一貫を狙う立ち回りが挙げられます。展開次第では相手の地面タイプが重めになりますが、そもそも相手の地面タイプはこちらのウオノラゴンが選出時点で強く牽制しており、それでも地面タイプを選出する場合はウオノラゴンに対する明確な回答が求められるため、そこから相手の選出を予測して展開を作っていくことができます。
この選出のおかげでザシアンミラーで勝率を確保できたことがレートを上げる上で非常に大きかったように感じます。
・ザシアンサンダーウオノラゴン
主に相手のザシアン入りにウオノラゴンがいる場合や、ザシアン+ヌオーなど、ザシアンとラティオスでは崩しにくい相手に対して選出します。
黒バドレックス入りにも時々選出しましたが襷を残される展開が厳しく、この選出をした際にはあまり勝率が高くなかったように感じます。
・カバザシアンウオノラゴン
対黒バドレックスでメインとなる選出。襷持ちの黒バドの個体数が増えていたためカバの砂やステロでそれを潰し、カバとザシアンで荒らして最終的にウオノラゴンで〆を狙います。
初手で出し負けても問題ないときは積極的にウオノラゴンを初手に置いていました。バドレックスとうまく対面できた場合は先述の通り鉢巻エラ噛みの圧力で交代されることは少ないため、そこで黒バドを処理できれば有利な展開をつくることができます。
・ラティザシアンウオノラゴン
主にカイオーガ入りへの選出。共にオーガ軸に刺さりやすいラティオスとウオノラゴンを選出し、状況に応じてどちらかによる崩しを狙っていきます。ラティオスは基本的にカイオーガに対面で勝つことはできませんが、ウオノラゴンがオーガへの後出しを成立させ、そこから崩していくことができます。
レジエレキがいる場合はラティオスがカバルドンになったり、ナットレイなどが重いと感じた場合はラティオスをサンダーにしたりすることもありますが、そのいずれも柔軟な立ち回りをつくることができる選出だと考えています。
・カバラティザシアン
主にムゲンダイナやイベルタルなどの受けに寄った構築と、ジガルデ入りに出していく選出。
対受け回し系については、先述の通り特にダイナ入りについては圧倒的に有利に立つことができ、その点もレートを稼ぐ上では大きかったと感じています。カバの砂でムゲンダイナとラティのS関係を把握できるのもGood。
対ジガルデも基本的には有利だったと思いますが、相手の方のプレイングがうまいと確率勝負には持ち込まれるケースも少なくなかったです。
・カバザシアンサンダー
主にゼルネアスなどの壁構築や、レシラム入りなどに対して出していく選出。壁構築についてはカバやサンダーの対面操作で起点を回避しつつ最終的にはザシアンで相手を倒す展開を作ることを狙いますが、その際にメタモンがいた場合は、先述のようにザシアンをコピーされてもサンダーに2回触れさせて静電気で51%で麻痺を引くことで止めると割り切っていました。
相手の構築に、ウルガモスなどエースバーンで上から殴ったほうがストップしやすいポケモンがいた場合はエースバーンを出したり、壁+ガモス+ビルドランドのような構築にはウオノラゴンを出したりすることもありました。
結果
TN ダイヤ 最終17位 最終レート2142
タイトルにもなっているように本構築は命中不安技を多数採用しており、どうしてもポケモンの機嫌が勝敗に影響してしまう部分があります。
ただその中でも、最終2ページ目に残れたり、最終日深夜に2ロム1桁にタッチできたりしたので、新環境開始直後の構築としてはそこそこ綺麗にまとめられたのかなーとも思います。
来期以降はやるかもしれませんしやらないかもしれませんが、もし潜ることになったらまたよろしくお願いいたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。